永遠なんて 信じるわけない



 今日の天気は、一日中雨だとテレビでやってた。こんな日くらい、晴れろよ。せめて晴れてたなら、精神的にも楽だったかもしれないのに。・・・楽になりたい、其れは俺のワガママか?

「ブン太、コンビニで新発売のガムが売ってたよ!―――ちゃんと買って来たってば!」
「ブン太、真田くんが呼んでるよ。今度は何したの?」
「ブン太・・・・・・好きだよ。大好き。」

 耳には彼女の、の俺を呼ぶ声がずっとリピートされ続けてる。外の喧騒と騒音なんか、聞きたくない。他人の声なんざ、聞きたくねぇ。の声が聞きたいんだよ、俺は。ずっとずっと一生、の声だけ聞きたいんだ。だから邪魔すんな、赤也。
    
「丸井先輩、始まりますよ。」
「・・・うるせぇ。」

 うるさいうるさいうるさい。俺はずっと、の声だけを聞きたいんだよ。他の声なんか聞きたくない。他人のすすり泣く声なんざ、聞きたくねぇ。
 がくれたガムを握り締めて、耳ではの声を聞き続けて(嗚呼、これが肉声であれば良かったのに)。声だけじゃない、本人が見たい。あんな狭い処で横たわってるじゃなくて。地面に足付けて、テニスコート駆け回って、俺に笑顔を見せてくれるが、見たい。

「丸井、いつまでそうやってるつもりだい?・・・式が、始まるよ。」
「・・・分かってる。」

 式?そんなモノに出たくない。出てしまえば、が本当に居なくなってしまったんだと、認識してしまうから。だから、幸村。そんな式、どうだって良いんだよ。
 なぁ、。いつまでそんな狭い処で寝てるつもりだよ。早く目ぇ覚まして、おはようって言えよ。また俺に、ケーキとかクッキーとか、作ってくれよ。なぁ、。聞いてんだろ?
 ―――――なぁ、。なんで俺、こんな処にいるんだろ。葬式って、誰のだ?


碧虚に消える声は空っぽで
(やっぱり君が居ないと、駄目だ)


(08/09/15)


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