やがて世界は時を刻むのを諦めた


 今日の天気は、晴々とした、濁りのない蒼。雲ひとつ浮かばないこんな日には、自殺者が増えると云う。確かに、こんな空をされては、鳥のように羽ばたきたくなる気持ちも分かる気がする。そう、私も共に、飛び立ちたいから。この狭い狭い、薄汚い牢獄から。
 牢獄とはこの世界。誰か私を此処から連れ出してよ。牢獄で一生を終えるのは厭。誰か私に羽根を頂戴。牢獄から飛び立てるだけの、羽根を。

「世界を牢獄を云いますか。らしい言葉だ。」
「でしょう?この世界は牢獄。私を地に縛り付けて離さない。」
「では、どうしたいのですか、は?」
「此処から連れ出して。何の変哲もない世界の牢獄から、私を連れ出して。」
「・・・仰せのままに、お姫様。」

 今日の天気は、晴々とした、濁りのない蒼。雲ひとつ浮かばない日に、私は羽根を手に入れた。六道骸と謂う、私だけの羽根を。これから私は羽ばたきます。喩え骸が人に道に背いたとしても、私は骸の傍で羽ばたき続ける。たった今、そう決めたから。

「行きましょうか、。」
「行きましょう、骸。」


Good−Bay World
(もう私を縛るものは、何も無い)




(08/08/16)


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